2020年 8 月 23 日 大阪市で行われた第 15 回 レーザーリプロダクション学会に参加しました。
今回は、コロナウィルス感染症流行の中、3 月の開催日を一旦延期しての開催でしたので、
当 SL 研究会からの参加は大阪近郊の一部の会員のみとなりました。
万全の感染予防対策が行われる中、本年度も当SL 研究会から
参与の中村一徳先生が登壇されました。中村先生が、医師が主催するこの学会から招請を受けて
講演されるのも今回で4回目となります。
今回登壇されたシンポジウムのテーマは「統合医療」です。
その中で中村先生は「不妊に対する鍼灸・レーザー治療の効果と問題点」を演題に
不妊治療においての鍼灸とレーザーを併用した治療法の効果について、最新のデータをもとに解説されました。
レーザーには、交感神経の抑制作用、細胞・組織の活性化、免疫機能の制御といった作用が認められています。
このレーザーと鍼灸を併用することにより それらの効果を増幅補助することを、
『加齢とともに低下する胚盤胞到達率、着床前診断クリア胚数、妊娠率 の3点が
鍼灸との併用後に有意に上昇する』という結果をもって明らかにされました。
この結果は、まったく同じ条件下で採卵された1600以上の胚盤胞を鍼灸開始前後で比較、
検証されたデータにより導き出された 非常に信頼性の高いものでした。
また同時に、起こりうる問題点として、決められた治療のプロトコルにより得られたこの結果が、
それを無視して 安易に鍼灸、あるいは レーザーの患者集めのための道具にさ れることがあってはならないと
いう危険性も指摘されました。
鍼灸SL 研究会の会員においては、常にこのプロトコルを正確に再現し治療にあたっていますが、
今回のこのシンポジウムへの参加で、日々の治療にさらに確信を重ねることができました。
閉会後には、中村一徳先生、そしてJISRAM でも活躍されている徐大兼先生 のお2人が、鍼灸師として初
めて日本レーザーリプロダクション学会の評議員に選出されたとの報告を受け、さらに喜ばしい気持ちで本会場を
後にしました 。
西村和重(鍼灸香里治療院)